介護の仕事は基本的に資格職であり、関連資格が多く存在します。例えば介護の仕事を始めた方がまず一番最初に取得する資格として介護職員初任者研修という資格があります。またその他にも介護の代表的な職種である介護士になるための介護福祉士という資格も存在します。介護職員初任者研修は身の回りのお世話や生活の介助を行うための資格なのですが、介護福祉士の資格まで取得した場合はそのような介護に加えて医学的な見地からの介護を行うことも可能になり、この資格を取得することで業務の幅は大きく広がると言えるでしょう。その他にもソーシャルワーカーの仕事を行うための社会福祉士の資格や、ケアマネージャーとなるための資格なども存在します。介護職員初任者研修は簡単に修了できますが、それ以外の資格に関しては一定の業務経験がないと受験資格が付与されないため、それなりに難易度の高い資格と言えます。
介護の仕事を続けるのであればこうした資格は積極的に取得していったほうが良いでしょう。まず資格取得のための試験勉強を通して自分のスキルが上がっていきますし、資格を取得しなければ行うことのできない業務も多いので資格の取得はキャリアの向上にもつながります。ただ、ソーシャルワーカーやケアマネージャーのポジションはその仕事を希望する有資格者に対して仕事のポストが少ない場合が多いため、資格を取得したからといってすぐにそうした仕事に就けるわけではありません。しかしそうした資格を取得し、準備を行っていくことで将来チャンスに恵まれた時すぐに対応できます。
また、例えば介護計画であるケアプランの作成はケアマネージャーにしかできませんが、資格を取得することでケアマネージャー不在の場合にも対応できるようになります。それに自分の仕事以外の資格を取得することで、一緒に仕事をするケアマネージャーやソーシャルワーカーの考えも理解しやすくなるので、業務の連携も行いやすくなるでしょう。
また資格の取得は年収UPにも繋がります。まず有資格者となれば資格手当が付与されるようになる職場は多くありますので、それだけで月給が1万円から3万円ほど変わることもあるのです。それに基本的に介護の職場は年功序列制を採用しているため勤務期間が長ければ長いほど給与が上がっていきますが、長く勤務をするためにも資格が有利に働くのです。施設運営がうまくいっている職場であればきちんとした資格を取得し10年20年と働くことで年収を400万円から500万円ほどにまで上げることが可能です。
介護の世界には残念ながらまだまだ雇用体制に関するコンプライアンスが守られていない職場が存在します。そのような職場に万が一つかまってしまえば大切な時間を浪費することに繋がりかねません。そのような事を避けるためにも事前に転職先候補の職場をよくリサーチし、本当に良い職場なのかどうか見極める必要があります。